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いちご学

目次
1. いちごの歴史
(プロフィール
2. 品種でふりかえる
いちごの歴史
3. 全国のいちご
生産の状況
4. 世界のいちごの
生産概況
5. いちごの栽培
6. いちごの栄養
7. いちごの選び方
と保存方法

※このページのいちごの写真は三好アグリテック株式会社の所有する写真を使わせてもらっています。
品種でふりかえるいちごの歴史
「オランダいちご」
 
現在いちごと呼ばれているものは、今から約 200年前の18世紀中頃にオランダで、北アメリカ原産の「バージニアいちご」と、南アメリカ原産の「チリいちご」が交配されて生まれたいちごがルーツであります。
 当時のいちごは学名をフラガリヤ・アナナッサといい、形がパイナップルに似ていたことから「パイナップルいちご」、「アナナスいちご」などと呼ばれていました。
  わが国にいちごが伝来したのは徳川末期(1830〜1840年)で、いちごの和名をオランダいちごということからしても恐らくオランダ船で長崎にもたらされたものと考えられます。
 しかし、このいちごは観賞用程度にしか普及せず、現在日本で栽培されているいちごにつながるものは、1880(明治13)年以降にフランスやイギリス、そしてアメリカなどから導入されたものを、品種改良を続けて現在の栽培品種へと発展させたものであります。

「福羽いちご」
 
日本いちごのパイオニアが「福羽いちご」であります。それは、今から約100年前のこと。新宿御苑に勤務していた福羽エ人博士が、フランスから取り寄せた「ゼネラル・シャンジー」から実生選抜して早生種の「福羽」を育成したことに始まります。
 これは日本で育成された最初の品種で、世界に誇る品種とります。当初は門外不出(皇室用のみ)とされ御苑いちご、御料いちごなどと呼ばれ、およそ庶民には手の届かない存在でありました。
 いちごが大衆化されたのは、第二次大戦のしばらくしてからのことで、1960(昭和35)年ごろから関東で「ダナー」、関西で「宝交早生」、九州で「はるのか」が主流に栽培され、その後、いちごの栽培技術が確立され、ようやく生産量が増加し、いちごが庶民の口に入るようになりました。
 その中でも新種いちごは福羽いちごの血統が多く、これがいちご消費拡大につながったと言えるでしょう。今では、消費量世界一となった日本のいちごは「福羽いちご」から始まったといっても過言ではありません。

「マーシャル」
 
昭和6年頃より静岡県に導入された品種。色が淡く、食味はよく、収量もあがる事から広く普及しました。京浜市場でも早出し産地として重視されていたが、昭和30年頃からのビニールを利用しての半促成栽培が発展するに伴い次第に作付けが減少していきました。

「ダナーいちご」
 
福羽いちごのみが有名だった日本のいちご界に、昭和25年、アメリカからダナーいちごが導入されてきました。
 ダナーいちごは甘・酸・香のバランスがよい品種でありました。当時流行しだしたいちごミルクとともに急速に普及しました。また昭和30年代に入ってからビニールでつくるトンネルとかハウスによる加温施設栽培により、春になる前の季節にも登場するようになりました。
 日本経済の高度成長とともに、大衆が手頃の値段でいちご食べられほどに普及したのもダナーいちごの大衆化が進んだためであります。

「堀田ワンダー」
 
「福羽」に「四季成りいちご」を交配して出来た品種で、昭和33年から昭和56年まで栽培された、比較的長生きの品種でした。
  果形は長紡錘方で10月から収穫できる、石垣栽培専用の四季成り性品種で、当時の東京市場では12月のいちご占有率が90%を越え、クリスマスケーキになくてはならない品種でした。しかし、形の揃いが悪く、水田地帯には普及しませんでした。

「はるのか」

 「はるのか」は、「福羽」を親とした系統と「ダナー」との組み合わせにより農水省野菜試験場久留米支場が育成しました。
 早期早生の品種でありましたが、果実の日持ち性がきわめて悪く、特に春先から品質が劣り、ウドン粉病に弱い欠点もありました。

「宝交早生」

 昭和30年代から40年代にかけて急速に普及し関東を中心に栽培されていたダナーいちごに戦いを挑んだのは宝交いちごでありました。
 宝交いちごは甘さが特徴の砂糖いちごを母として1962年(昭和37年)に兵庫県宝塚にある農業試験場で生まれました。宝塚で交配したというので宝交早生と名付けられました。
 「ダナー」はいちごミルクを掛けて風味を増したのに対し、宝交はそのまま食べても甘かった。
  西の宝交は中京まで進出、東のダナーも中京まで進出したが、やがて台頭してきた「女峰」「とよのか」に地位を譲りました。
 しかし、「ダナー」と「宝交早生」が競い合っていた時期に、それまでは高値の花だったいちごが急速に大衆化していったことを考えると、その後生食いちごの消費量が世界一になるまでになったのは、この競争の成果といえるでしょう。

「とよのか」
 はるのかいちごに変わり、食味の良い品種を育成する目的により、農水省野菜試験場久留米支場で「ひみこ」いちごに「はるのか」いちごを交配し、「とよのか」いちごが育成されました。昭和48年に育成され、昭和59年に農林登録されました。
 果実は鮮紅色で光沢があり果形は円すい形の大果で糖度が高く酸味も適度にあり多汁でフルーティーな香りが強く、食味がこれまで発表された品種の中でも最高と評価されました。
 おまけに収量もこれまでのはるのかの2倍に近く、福岡県を中心に佐賀県、熊本県、長崎県などに一挙に広まりました。九州をはじめ暖地で促成栽培に適する品種として西日本各地でひろく栽培されていました。
  栃木県の女峰より一歩早く育成されたことや、品質の良さも幸いして生産、消費ともに年々増加し「とよのか」主産県の福岡県がついにいちご日本一だったと栃木県と王座を争うようになりました。そして、東の「女峰」、西の「とよのか」と日本のいちごを二分する時代を築きました。20年以上にわたって九州産地の主力品種でありました。

「女峰」

 
栃木県農業試験場で開発された品種。「とちおとめ」が開発されるまで東日本の主力品種でありました。
  九州の「とよのか」に対抗し麗紅いちごに代わる品種として、栃木県農業試験場がはるのかいちご、ダナーいちご、麗紅いちごを組み合わせ、昭和60年に育成したのが女峰であります。かつてはその作付面積の多さから横綱と呼ばれた品種である。一般消費としては、いちごミルクをかけての食べ方。また、ショートケーキなどの業務用として人気が高く、その理由は果形と果色の美しさ、程よい酸味にありました。  


「章姫」
 静岡県の萩原章弘氏が、昭和60年に育成し、平成4年に登録された品種。「久能早生」と「女峰」を親にして生まれました。
 その特徴は、糖度が高く酸味が少ない、食感が良いこと。果形がやや長紡錘形で果色が美しい。果皮、果肉ともにやや柔らかい。などです。
「さちのか」
 
「さちのか」は、 農水省野菜試験場久留米支場(現在の独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター 久留米研究拠点)で育成されました。 昭和62年に、早生・大果で収量が高く、食味・香気に優れる「とよのか」を種子親とし、極大果で着色に優れる「アイベリー」を花粉親として交雑し、選抜を行った。その結果、促成栽培用品種として有望と評価され、平成8年8月にイチゴ農林20号「さちのか」として命名登録されました。
 特徴としては着色・光沢に優れていること。果形がよく整い、果実硬度が「とよのか」より約20%高い。そのため、秀品果率が高く、収穫後の作業性にすぐれ、棚もちがよく流通適性が高い。糖度が安定して高く、食味が極めて良いうえ、とよのか、女峰よりビタミンC含量が安定して高い。 などです。非常に優れた特性を持ついちごだが、現在の主要品種中もっとも栽培が難しい品種であります。    

「とちおとめ」

 
平成元年春、栃木県は17年間維持してきた「いちご生産日本一」の座を福岡県に明け渡しました。「女峰」では「とよのか」に勝てないと危機感を募らせ、「女峰」に代わるオリジナル品種の育成にとりくみ、幾多の困難を乗り越え、通常10年近くかかる新品種の育成をわずか4年間という短い期間で成し遂げました。
 特徴として、女峰より粒が大きめで、酸味が少なく甘みがあり、果皮は光沢のある鮮やかな紅。甘味が強く、ジューシーである。などです。
 「とちおとめ」は「女峰」に比べると栽培が難しく、「とちおとめ」に適した栽培技術の確立と普及が急務だった。しかしこの壁も乗り越え、栃木県の栽培面積は、平成9年(「とちおとめ」普及3年目)には50%を越え、平成12年には94%が「とちおとめ」となった。

「あまおう」   
 福岡県の農業総合試験場で育成された品種です。粒の大きさや、いちごの持つ魅力(甘味やコク、香り、色ツヤなど)の全てにおいて「とよのか」超えることを目指して育成されました。約6年間の試行錯誤の末、平成13年11月、品種登録申請され、その後、親しみやすい名称をということで、一般公募の中から「あまおう」が選ばれました。
 あまおうの「あ」は「あかい」、「ま」は「まあるい」、「お」は「おおきい」「う」は「うまい」を合わせたのが名前の由来です。

「さがほのか」

 平成3年、佐賀県農業試験研究センターで、果実が大きく色鮮やかで果汁も豊富な「大錦」を種子親に、 早生・大果で収量が高く、食味・香気に優れる「とよのか」を花粉親 として交配。平成13年3月に種苗登録された品種。
 平成17年には佐賀県内の作付けの92%が「さがほのか」になりました。
 特徴としては、果形がよく秀品率、大玉率が高い。味は酸っぱさがなく、すっきりとした甘さ。などです。

「べにほっぺ」

 静岡県農業試験場で香りと糖度にすぐれた「章姫」と食味に優れた「さちのか」を交配して育成、平成14年に農林登録された品種。
 特徴としては、果皮の色は鮮赤色で光沢は良い。果形は長円錘形。食味は適度な酸味を有し、高糖度である。などです。

  数年前までは、東の“とちおとめ”(写真左)西の“とよのか”(写真右)と、主に2種類の品種が栽培されていました。現在は、東の“とちおとめ”に対し西は“あまおう”“さがほのか”“さちのか”と様々な品種が栽培されています。
 また、最近の品種の動向は、大玉で、甘いいちごをめざして育成されています。大玉で甘い品種はその代償として、病気に弱いという欠点をもってしまいます。そのため、育苗期の雨よけ栽培など、これまで以上の手間と経費がかかるようになっています。

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