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長崎いちご 品種紹介
「さちのか」
 「さちのか」は、農水省野菜試験場久留米支場(現在の独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構九州沖縄農業研究センター久留米研究拠点)で育成されました。
  昭和62年に、早生・大果で収量が高く、食味・香気に優れる「とよのか」を種子親とし、極大果で着色に優れる「アイベリー」を花粉親として交配し、昭和63年より促成栽培で選抜を続けた結果,平成3年にほぼ目標にかなう系統が得られたため,‘久留米52号'の系統名を付し,平成4〜7年に特性検定・系統適応性検定試験に供試した。その結果促成栽培用品種として有望と評価され,平成8年8月にイチゴ農林20号「さちのか」として命名登録されました。

《特性としては》
◎果実硬度・着色・光沢に優れ、秀品果率が高く、収穫後の作業性と流通適性が高い。
 果形は長円錐で良く整い、光沢に優れ、外観は良好である。果皮色は赤〜濃赤で「とよのか」「女峰」よりやや濃く、果肉色は淡赤である。果実硬度は「とよのか」より約20%高い。完熟後の常温保持による果肉軟化進行は「とよのか」と同程度であり、比較的遅い。果実が硬く、肉質が緻密で果形が整っていることから「とよのか」に比べて外観の印象は 小さいが,収穫・選果・パック詰めの作業性が極めて優れる。果実が硬いため輸送性に優れており,輸送後の市場性は「とよのか」に比べて遜色なく、特に3月以降の昇温期 には、傷みの発生が少ないため「とよのか」より評価が高い。
◎糖度が安定して高く、食味が極めて良いうえ、とよのか、女峰よりビタミンC含量が安定して高い。 などです。
 糖度は「とよのか,女峰」より高く,酸度はほぼ同程度である。「とよのか,女峰」よりビタミンC含量が15〜30%程度高い。
  また、「さちのか」には、アントシアニンというポリフェノールの一種が他の品種のいちごより豊富に含まれています。このことが「さちのか」が甘くておいしい理由の一つなのですが、いちごは淡い赤色というイメージからして、違和感を感じる商品もあるかもしれません。実は同じ「さちのか」でもハウスの温度管理で着色が違ってきます。高めの温度管理をしたものは赤く色づきますし、低めの温度管理をしたものは濃い赤になります。あまり色が濃くなりすぎると日にちがたって傷んできているいちごと誤解されかねないので、できるだけ高めの温度管理をするようにはしていますが、地域や時期によってはどうしても低めの温度管理になるものもあります。ただ、赤黒くなるほど濃い色になっていても、表面に光沢(つや)のあるものは新鮮ですし、それにアントシアニンは寒さにあたるとできる物質ですので濃い赤のさちのかのほうが、アントシアニンがより豊富に含まれており、また収穫まで日数も多くかかるため、よりおいしい「さちのか」になります。


 このように「さちのか」は食味が安定して優れ、外観もよく、日持ちもする3拍子揃ったいちごですが、苗のとき病気に弱く、こまめな手入れが必要で、栽培には根気と手間を要するのが欠点でした。その欠点のためでしょうか、「とよのか」の後継品種として九州各地で栽培されることはありませんでした。
 長崎のいちご生産者は難しいとされる「さちのか」の栽培にあえてチャレンジし、高い品質の商品を消費者へお届けしたい、その想いでいちご作りに励んでいます。

 
「とよのか」

  「とよのか」は、1973年(昭和48年)に、農林水産省野菜試験場・久留米支場で「ひみこ」と「はるのか」を交雑して育成され、1984年に農林登録された品種です。いちごの実は、丸から円錐形の大きい実となり、光沢のある鮮紅色となります。香りが高く、甘み、酸みが調和しているおいしいいちごです。九州をはじめ暖地で促成栽培に適する品種として西日本各地でひろく栽培されていました。とても優れた品種で20年以上にわたって九州産地の主力品種でありました。いまでも作りやすさなどから生産者には根強い人気がありますし、市場関係者からも、12月に量が期待できる品種としてクリスマスケーキなどの業務需要の対応などでも人気があります。

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